学会報告・最新医療情報

2019.07.20

ヘリコバクター学会教育講演会@名古屋 2019.6.22

先日ヘリコバクター学会教育講演会に出席しました。

除菌薬に対する耐性菌や除菌後胃がんが発生しやすい胃の内視鏡所見の特徴、除菌薬と他の薬剤との相関作用などが話題となっておりました。

特に興味深かったのは若年者に対するピロリ除菌の話題です。高校生を対象に一斉にピロリ菌検査を施行し陽性者に対して除菌治療を行うという取り組みです。

以前から話題になっておりましたが現在試みている自治体が増えているそうです。

胃がんの原因のほとんどはピロリ菌ですから若いうちに保菌者に対して除菌治療をすることが胃がん撲滅に繋がることは明らかです。

今後は藤沢市でも取り入れて頂ける様、提案させて頂こうと思います。

当院でもピロリ除菌治療を積極的に行なっておりますのでピロリ菌に関して気になることがあればご相談下さい。

医療法人湘南ON会

理事長 小貫建一郎

2019.06.25

医療法人湘南ON会 でスタートしました。

こんにちは。久しぶりの更新です。
この度、2019年6月1日より、

「医療法人湘南ON会 湘南藤沢おぬき消化器クリニック (イリョウホウジンショウナンオーエヌカイ ショウナンフジサワオヌキショウカキクリニック)」

として、新たにスタートしました。診察券番号も20000台になり、多くの患者様を診させて頂いていることを改めて痛感しております。
王さん・長嶋さんのように藤沢で愛されるクリニックを目指して、湘南ON会と名付けました。

これからも、初心を忘れずに、誠実に地域医療に貢献していきたいと思います。

理事長 小貫 建一郎

理事に就任しました、小貫 章子です。私は開院以来、超音波検査(エコー検査)、事務責任者を担当しております。子育てをしながら、日々の診療に関わらせて頂いております。

開院してから、多くの患者様の検査をさせていただき経験を積ませていただきました。
エコー検査とは、とても簡易的で侵襲性がないにもかかわらず身体の臓器を詳しく診ることの出来る検査であり、非常に有用な検査であると感じます。腹部エコー検査では、肝臓、膵臓、腎臓、胆嚢、脾臓、子宮、膀胱などをまず一通り検査します。そして、患者様に何か症状がある場合はその部位を重点的に診ていきます。当院では、悪性疾患の発見から急性期疾患や慢性期疾患の診断の手助けとなっております。

特に当院では人間ドック、健康診断を多く行っておりますので、脂肪肝、胆嚢結石、胆嚢ポリープなどは非常に多くみられる疾患であります。中でも多いのが、中年の方の脂肪肝です。働き盛りの方は、生活が不規則になり、ストレスで暴飲暴食に走りがちになりがちです。気づかない内に一気に体重が増え、あるいは飲酒量が増え、知らない間に脂肪肝に、それも高度な脂肪肝に陥ってしまっているケースが多くあると感じます。脂肪肝は、軽く考えてしまいがちですが、重症化すると肝硬変や肝がんの原因になりうる病気です。しかし生活習慣を見直し、持続することで肝臓はきれいに元通りになります。当院では、一人でも肝硬変・肝がん患者をなくすために、脂肪肝と診断できる患者様には生活指導を行い1年程かけて治していく様に促しております。過去には、1年できれいさっぱり治ってしまう方も多くいらっしゃいました。
どのような疾患も、検査をしないと分からないものです。自分の身体の事を知ることは非常に大切な事だと日々実感しております。今回は、「脂肪肝」をキーワードとしてあげましたが、今後も皆様に有益な情報をお伝えしていきたいと考えております。今後も、医師の診断に役立つ正確な検査を心掛けたいと思います。

理事 超音波検査担当技師 小貫章子 (腹部・頚部・乳腺)

<経歴>
大阪大学 医学部 保健学科 臨床検査科学技術専攻 卒業
大阪大学大学院 医学系研究科 機能診断学講座 修士課程 卒業
(癌と糖転移酵素の関わりについて研究・論文執筆)
花王株式会社 生物化学研究所 研究員 を経て 筑波大学病院 臨床検査科 入職
2015年 湘南藤沢おぬき消化器クリニック 入職 現在に至る。

2019.04.26

【速報】当院から初の内視鏡専門技師が誕生しました。

もう後数日で令和になりますね。雨の日が続きますが、当院に明るいニュースが届きました!!!!

開院当初から当院の最前線でやってきた看護主任が、内視鏡専門医の小貫先生の下で研鑽を積み、この度内視鏡専門技師試験に合格し、内視鏡専門技師となりました。
激務の中、夜なべして勉強し、本日資格取得の報告を受けました。日頃の看護から、自分のことよりも患者様のために尽くす姿勢、緊急処置が入れば夜中でも対応する姿は、ただ肩書だけの内視鏡専門技師ではなく、本来の医療人の姿であり資格にふさわしい人材だと考えます。内視鏡に携わってきた年数は10年を超えるもので、この資格取得は本人はもちろんの事、小貫先生をはじめスタッフ皆が喜ばしい出来事でありました。本当におめでとうございます。

当院の院長のルーツは、東京女子医大消化器外科であり、「外科医」であります。多くの手術を行ってきて、クリニックでもその技術を地域医療に役立てたいと思っております。したがって、当院では内視鏡検査・手術だけではなく、痔の日帰り手術件数も年数を重ねるごとに多くなってきています。この度資格取得をしました看護主任は、内視鏡介助のみならず、日帰り手術介助においてもかなりの信頼をおける人材であります。当院で行っている日帰り手術のほぼ全例において院長の助手として入り皆様の処置にあたっております。

今後もこれまでと変わらず、診療、検査、手術に携わってもらいたい、と願う今日この頃です☆彡

看護師スタッフから一言↓

合格おめでとうございます。いつもいつも頼ってばかりですが、私たちも少しでも近づける様頑張ります。

受付スタッフから一言↓
合格おめでとうございます!試験前から主任なら合格できると信じて合格発表を待っていたので、合格したと聞いて一緒に喜びました。私たち受付スタッフも改めて気を引き締めて頑張ります。

院長から一言↓

合格おめでとうございます。私もうれしいです。日々の努力がこういう形で報われて本当によかった。これからも皆から頼られる存在で頑張ってください。

2019.04.22

研究会

第39回 神奈川消化器内視鏡技師研究会に参加してきました。

 どの施設においても、安心・安全・安楽な内視鏡検査を提供出来るように様々な工夫をして取り組んでいることを改めて実感しました。
高まる内視鏡検査の需要に対応する中で、医師だけでなく看護師にも知識や技術が求められてくることに共感し、気の引き締まる思いとなりました。
今回も情報共有の場として貴重な時間を過ごすことが出来ました。

 当院では内視鏡検査や手術患者さんの増加に伴い、今月から内視鏡検査・手術枠を増設、また、受付・看護師スタッフの増員を行い、患者さんの希望に応えられるよう新たな診療体制をスタートさせました。

スタッフの教育、作業効率の向上を考慮した人員配置、患者さんの高い満足度に繋がる医療の提供など、当院でも沢山の課題があります。
安心・安全・安楽・満足度が得られる医療の提供が出来るように、スタッフや患者さんからの貴重な意見を基に試行錯誤を重ねながら日々の業務に携わっていきたいと思います。

湘南藤沢おぬき消化器クリニック
看護師 森山

2019.01.12

日本消化器病関連学会 2018.11 in Kobe

アップが遅くなり申し訳ありません。2019年になってしまいました。今年も、何卒宜しくお願い致します。

私はバスケが大好きでして、中学から大学までずっとバスケ部でした。12月に行われたウインターカップの試合を見て、若者のバスケをする姿に刺激を受けました。今年は面白い試合が多く、高校バスケ、面白いな~と改めて実感しました。ご興味ある方、来年是非見てみてください。

さて、話が脱線しましたが、昨年11月の3日と4日の2日間、消化器病関連学会及び教育講演に行ってきました。

消化器内視鏡の分野だけではなく消化器内科や消化器外科など分野が多岐にわたる学会です。

炎症性腸疾患の最新治療やAI導入型内視鏡、腸内細菌による治療、ダ・ヴィンチでの外科治療の適応拡大など新しい話題が多く出ており大変勉強になりました。

中でも私が特に興味深かった話題はピロリ除菌後の胃がんに関しての話題です。ピロリ除菌を行っていてもその後胃がんが発見されることは意外に多く、増加傾向にあります。また胃炎が強いケースでは胃がんを認識することが困難で見落とされてしまうことも少なくありませんのでより丁寧な観察が必要となります。

当院では年間数百人の患者様に対してピロリ除菌治療を行っており、除菌後の定期的な内視鏡検査を受けられる患者様も多くいらっしゃいます。

定期的な内視鏡検査の必要性を改めて再認識するとともに、私自身普段からより一層丁寧な内視鏡検査を心掛けなければならないと痛感致しました。

 

湘南藤沢おぬき消化器クリニック

院長 小貫建一郎

2018.12.22

第81回 日本消化器内視鏡技師学会に参加して

 先月京都で行われました第81回日本消化器内視鏡技師学会に参加して参りました。

「どこまでできる。内視鏡検査と治療」をテーマに発表や講演がありました。

普段私たちが行っている内視鏡検査について、共感する点や日々の業務に直結する内容もあり、今後の検査介助等に活かしていきたいと感じました。

⓵安心・安全・安楽・満足度が得られる医療の提供

  内視鏡視鏡検査は上・下部ともに侵襲的な検査であり苦痛を伴います。

検査を受けられる患者さんは、病状に対する不安や内視鏡検査に対する苦痛や恐怖心を抱えながら来院されております。

内視鏡をいう言葉を聞くだけで、《怖い・痛い・辛い・大変・恥ずかしい》などのマイナスイメージが先行しがちです。

このため、私たちスタッフは患者さんの不安軽減に繋がる対応が出来るよう、検査前・中・後において丁寧な説明・安心出来る環境整備・接遇を大切に関わっていく必要があります。また、様々な工夫を重ねながら苦痛を最小限にし、出来るだけ気楽に検査を受けて頂けるよう配慮していくことも大切になってきます。

 鎮静剤使用による鎮静効果は患者さんにとって大きな期待があると感じます。安全な鎮静法で満足感を得られる鎮静剤の導入は苦痛や恐怖心の緩和に有効に働きます。

当院では患者さんから検査終了時に、

・鎮静剤を使ったことで楽に検査を受けることが出来た

・背中をさすってくれたことや呼吸法を教えてくれたことで安心出来た

・始まる直前の声掛けや普通の会話により安心感を得られて良かった

・病院で下剤を飲むことで安心出来た

・先生がよく話を聞いてくれるため安心する

などのご意見を頂くことがあります。

患者さんからの貴重なご意見を基に、今度も継続していくもの、改善の必要性があるものは満足度が得られるように努めて参りたいと思います。

また、緊張や不安の軽減に繋がる看護の提供を今後も引き続き行っていきたいと改めて感じました。

安心・安全・安楽・満足度が得られる医療の提供は、継続的な検査・病気の早期発見・早期治療に繋がることを学びました。

 

⓶コールドポリペクトミー(CP)の介助にあたって

 現在大腸内視鏡検査の主流になりつつある治療法に、コールドポリペクトミー(CP)があり、当院でも行っている治療法の一つです。

CPは鉗子を用いるコールド・フォーセプス・ポリペクトミー(CFP)と、スネアを用いるコールド・スネア・ポリペクトミー(CSP)の2法があります。

この治療法(CP)は手技時間の短縮、切除後の偶発症(後出血)のリスク低下、治療後の生活制限が少ないなどのメリットがありますが、完全に切除をしなければポリープの遺残や再発の可能性が出てきます。このため、病変を確実に切除することが大切になってきます。

  鉗子やスネアの特殊性を理解し操作することが重要になり、鉗子のカップ内に病変が収まっていることを確認すること、標本の挫滅を防ぐためにスネア使用時はハンドルを一気に締めることなど操作方法を改めて学ぶことが出来、今後の介助に役立てたいと感じました。

最近ではCPに対応するための鉗子やスネア製品の改良が進んでおり、デバイス選択も重要になってくると感じました。

今回学んだことを今後に役立てたいと思います。

 

湘南藤沢おぬき消化器クリニック

看護師 森山

2018.06.17

関東消化器内視鏡技師会 第21回レベルアップ講習会に参加してきました。

ヘリコバクターピロリ菌除菌治療とその後の内視鏡検査について詳しく講義していただき、今後の指導等に活かしていきたいと思いました。

  1. ①胃癌とピロリ菌感染について
  2.  胃癌とピロリ菌は密接に関係しており、胃癌の原因の99%がピロリ菌感染と報告されています。
  3. 当院でも毎年沢山の患者さんが胃カメラをされますが、胃癌と診断された患者さんのほとんどが現在又は過去にピロリ菌感染を指摘されています。
  4. 胃がんのリスクを高める要因に、ピロリ菌への持続感染の他に、塩分の過剰摂取や喫煙習慣がリスクを高めるとされています。

ピロリ菌の有力な感染経路の一つとして、口から口の親子間での感染が挙げられます。胃粘膜の防御機能の弱い10歳位までの間に感染していることが多く、成人後の感染は低いとされております。

 当院では普段からピロリ菌についての問い合わせや質問が多く、関心を持っている方が増えてきていると感じます。特にピロリ菌の検査方法や除菌治療、定期的な胃カメラの目安時期や検査の必要性、感染経路などです。

 私たちは常に情報のアップデートを行い正しい知識を持ち、患者さんへ適切な指導を行っていく必要があります。また、浸透出来るように口頭指導だけではなく、ホームページや院内掲示で解りやすく伝えていく必要があると感じています。

 

②検査方法と除菌治療、定期検査

 当院ではⅰ)血液検査で行う抗体検査(結果1週間後)の他に、当日結果が判るⅱ)尿素呼気試験、ⅲ)内視鏡検査時に行う迅速ウレアーゼ試験を採用しております。

  1. ⅰ)血液検査(抗体検査) 

  2.  

  3. ⅱ)尿素呼気試験 

  4.    

  5. ⅲ)迅速ウレアーゼ試験(組織採取)

    

どの検査方法でも、ピロリ菌が陽性と判定された場合は胃癌を見逃さないためにも内視鏡検査を行い、除菌治療を行って頂きたいと思います。一度除菌を行って成功した場合、再感染はほぼ無い(大人の再感染率0.3%)と報告されています。

しかし、『除菌をすれば癌にならない』という思い込みはとても危険です。

ピロリ菌の除菌が成功すると安心してしまい、内視鏡検査を受けなくなるケースがあります。このため、除菌をしてから数年後に胃癌が発見されるケースが増えてきております。

実際に当院でも除菌後に胃癌と診断されるケースを多くみるようになりました。

ピロリ菌を除菌することで胃癌のリスクは低くなりますが、胃癌にならない訳ではないため定期的な内視鏡検査をお勧め致します。

 ピロリ菌の除菌時に萎縮が強いほど、その後の癌発生率が高いことが報告されており、私たちは経過観察の重要性をしっかりと伝えていく役割があると感じました。また、除菌後胃癌は判断し難い場合もあり、検査時に画像強調観察技術NBI(狭帯域光観察)や色素剤インジゴカルミンの散布を行わないと病変を見落としてしまう可能性があるため、診断制度の向上に努め適切に診断する必要性があると感じました。

 

  1. ③胃がんリスク検診(ABC検診)
  2.  今月から藤沢市でも胃がんリスク検診(ABC検診)が始まりました。

    胃がんリスク検診(ABC検診)とは、ピロリ菌抗体検査と胃粘膜の萎縮を調べるペプシノゲン検査を行って胃癌になるリスクを判定する血液での検査です。

  3.  この検査では胃癌があるかを調べている訳ではないため、要精密検査が出た際は必ず内視鏡検査を行って頂きたいと思います。今回正常と判定された方も、胃癌のリスクは低いだけで胃癌がない訳ではないので、機会があったら是非無症状のうちに内視鏡検査を行って頂きたいと思います。

    早期胃癌の多くは検診によって発見されており、症状の有無に関わらず定期的に内視鏡検査を受けることが早期発見・早期治療のために最も重要になってきます。

  1. ④胃がん検診(内視鏡検診について)
  2.  今まで胃がん検診といえばバリウム検査でしたが、国の指針としてH28.4から胃カメラが実施出来るようになりました。

  3. 神奈川県でも横浜市や茅ケ崎市、相模原市など近隣の市区町村ではすでに開始されており胃がん検診の幅が増えつつあります。

  4. 藤沢市でも数年後開始されることが予測されます。胃がん検診の成果を上げるためには、各自治体、受け入れる医療機関の実施体制や管理システム整備が重要になってきます。当院でも開始された時に速やかに対応出来るように、情報収集を行うと共に将来を見据えた管理体制を整えていきたいと感じました。

 

湘南藤沢おぬき消化器クリニック 

看護師 森山

2018.05.17

第80回日本消化器内視鏡技師学会へ参加して

第80回日本消化器内視鏡技師学会へ参加して

 

平成30年5月11・12日に渋谷にて行われました第80回日本消化器内視鏡技師会へ参加してまいりました。

今回の学会は「内視鏡の進化と融合」~何を残し未来へ向かいますか?~をテーマに講演や発表が行われました。内視鏡をとりまく世界や日本の流れを肌で感じ、その中で我々クリニックでは何ができるのか、何をするべきなのかを考える良い学びの場となりました。

 

 まず先端治療分野では、AI(人工知能)による画像診断や、ロボット技術による治療の開発についての講演がありました。まだ実用化はされていませんが、人の目では見逃してしまいがちな小さく目立たないポリープなどをAIで高率に検出し、検出したポリープが良性か悪性かまで蓄積した情報をもとに判断できるまでに開発が進んでいるそうです。また治療機器も進化しており、内視鏡の先端にロボットアームをつけたものや、遠隔操作できるものなどの開発が進められているそうです。患者さんへの負担の少ない内視鏡での治療の幅を広げようと、医師や企業が切磋琢磨していることを学びました。

 そして、治療技術の進化はなによりですが、一番重要なのは予防と早期発見です。いくら治療技術が進んだと言っても、癌にならないことに勝るものはないと思います。当院が担っていく役割としては、この予防と早期発見の部分です。

 

その部分の大きな進化としては、平成28年度より胃がん検診として胃カメラが実施できると国で決まりました。これは、とても大きな進化だと思います。各自治体で体制づくりを行い順次開始していきます。横浜市ではすでに開始しており、藤沢市も数年のうちに開始される予定です。しかし、それを受け入れることになる病院や各市町村の医師会は、クリアしなければならない多くの課題が予想され、大きく動揺しました。先行モデルとして開始した自治体の戸惑った現場の様子が発表されていました。藤沢市で開始となった場合、当院でも混乱が予想されるので、スムーズに対応できるよう今から準備しなくてはと感じました。まずは検診を受けられる方の、安全・安心・安楽を担保するのはもちろん、希望される方全てに対応できる体制づくりを進める必要があると強く感じました。

 

胃癌患者の98%はピロリ菌に感染していると言われ、胃がんは早期であれば内視鏡治療で完治します。自覚症状が出現した時には、すでに進行胃がんであることがほとんどです。無症状のうちに胃カメラをすることが重要であると、国も動き出しております。そしてピロリ菌の保菌者はピロリ菌の除菌を忘れてはなりません。AIなどの技術開発分野の発展も素晴らしいですが、大多数の地域の方々の健康維持のお手伝いがクリニックの役目だと思っております。大切な人と大切な時間を過ごすために、症状がなくても胃カメラに足を運んでいただければと思います。当院では、迅速に対応させていただきます。

 

胃がんは、『まずはピロリ菌の除菌で予防。そして定期的な胃カメラで早期発見』です。私たちは今後も皆様に強く発信していきたいと思っております。皆様のそばにいる大切な人にも伝えていただければと思います。

 

 

湘南藤沢おぬき消化器クリニック

内視鏡技師 宮本

2018.05.10

第38回 神奈川消化器内視鏡技師研究会に参加してきました

先日、第38回 神奈川消化器内視鏡技師研究会に参加してきました。

 

今回の研究会ではコミュニケーションの大切さと多職種との連携について学ぶことが出来ました。

安心・安全な検査、治療を提供するためには、専門的知識・技術、各種業務の遂行、内視鏡室及び院内の環境整備だけではなく、患者情報の共有が大切になると感じました。

当院では鎮静剤使用の患者さんが多いため、検査中・検査後の患者情報を受付スタッフにも伝え、医師・看護師からの注意事項の指導だけではなく、待ち時間での声掛けや観察を行うようにし対応しております。

発表施設の中には、インカム導入が有効になったとしております。クリニックではありますが、当院でもインカムを導入しスタッフ間で情報共有を行っております。インカムを導入することで、スムーズな情報伝達(報告・連絡・相談)が出来るようになり、院内でスタッフを探さなくても的確に指示し受けることが出来、業務の効率化をはかることが出来るようになったと感じます。今後も安心・安全な検査、治療の提供のために全スタッフでの連携を大切にしていきたいと思います。

 

当院では大腸内視鏡検査洗腸剤の飲用を自宅または院内での選択にしております。最近では院内下剤を希望する患者さんが増えてきており、部屋の確保や院内下剤の優先度など課題点もみえてくるようになりました。

発表施設の中には、大腸内視鏡検査の洗腸剤の適切な院内飲用の基準判断について考察しており、この学びを今後の判断基準に活かしていきたいと思いました。

当院では看護師・受付が検査説明及び下剤説明を行っております。

院内下剤を勧める基準として、初めての検査、事前説明に来院出来ない、説明時の理解度、高齢、ADL低下、便秘症状、住まいが遠方、希望者に対して院内下剤をお勧めしております。

患者の理解度、精神状態、服薬状況、腹部症状、ADL、生活背景を判断する必要があり、日々の説明の中でその場で判断する難しさも感じます。安全に下剤飲用が行われ、円滑に検査が出来るためにも判断基準となる指標を表すことが大切になることを学びました。

また、当院の大腸内視鏡検査が出来る判断基準として『排便回数10回以上、便器の底が見える程度』として検査説明を行っております。院内下剤の方には看護師が声を掛け判断し、自宅下剤の方には受付が電話連絡を行い判断しております。目に見えない自宅下剤の方に対し、電話連絡を行うことで患者さんの体調や下剤の進行状況を知ることが出来、円滑な検査が出来ていると感じます。

今回学んだことを活かし、安全・安心、かつ円滑に検査が出来るように今後も取り組んでいきたいと思います。

 

平澤医師による特別講演では、内視鏡で癌を中心とした診断から治療まで、日常診療で大切になる点について講義して頂きました。

現在健診の普及などから早期がんの発見が増えてきており、発見される癌の6割がステージ1と診断されています。早期がん発見のために、消化器内視鏡では画像強調観察技術NBI(狭帯域光観察)が有効とされています。中でも特に喉頭、咽頭、食道の観察に有効とされ発見率が向上すると言われています。

日常診療ではNBIを含めた拡大内視鏡での観察及び診断が不可欠になることを学びました。従来の白色光による内視鏡観察では判断しにくい病変も、NBIの使用及び拡大観察により粘膜表面の微細な模様や血管構造まで観察することが出来、病変の境界線を明瞭化することで診断精度の向上につながることを学ぶことが出来ました。

この講義を聞きクリニックでの内視鏡検査の役割として、早期発見による予防医療、また的確な内視鏡診断と適切な治療法の選択にあると考えました。

 

今回の研究会で得た学びを、今後に活かしていきたいと思います。

 

湘南藤沢おぬき消化器クリニック

看護師 森山

2018.03.31

IBDマネージメントフォーラム ~潰瘍性大腸炎と開業医はどう向き合うか~

 2月25日に京都で行われたIBDマネージメントフォーラムに参加してまいりました。当院でも多くの潰瘍性大腸炎の患者様の診療に当たっており、この様な学会は開業医の私にとって非常に有益な情報を得られる場であります。

本会では、主に現在増加の一途をたどっている潰瘍性大腸炎に対しての基本的な治療方針の確認や、地域医療として病院と開業医との連携方法などを中心に議論が行われました。
診療所としてどこまでの治療が可能か、また高次医療機関へ患者様を紹介するタイミングや、地域医療の中で診療所と病院が密に連携を取り合って治療を行って行く重要性などに関して様々な先生の意見を聞くことが出来、大変有意義な時間となりました。
本会に参加して強く感じたことは多くの開業医の先生が潰瘍性大腸炎を通院のみで治療することに強い熱意をもって診療されているということです。

現在潰瘍性大腸炎の診断や治療における進歩は目覚ましく、以前は入院が必要だった方でも通院での治療が可能となってきています。
潰瘍性大腸炎の患者様の8~9割が、10代~30代での年齢で発症されており、普段は学校に通われていたり、仕事をされているケースが殆どであります。そのため、「入院ではなく通院で治療が出来るかどうか」は、患者様にとって非常に重要です。
これは今の潰瘍性大腸炎の治療の大きな流れであると思います。

私も新たな知識を積極的に取り入れ、開業医として可能な限り通院で治療が完結できる様、熱意をもって診療にあたらなくてはならないと強く感じました。

湘南藤沢おぬき消化器クリニック
院長 小貫 建一郎

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