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2018.05.17

第80回日本消化器内視鏡技師学会へ参加して

第80回日本消化器内視鏡技師学会へ参加して

 

平成30年5月11・12日に渋谷にて行われました第80回日本消化器内視鏡技師会へ参加してまいりました。

今回の学会は「内視鏡の進化と融合」~何を残し未来へ向かいますか?~をテーマに講演や発表が行われました。内視鏡をとりまく世界や日本の流れを肌で感じ、その中で我々クリニックでは何ができるのか、何をするべきなのかを考える良い学びの場となりました。

 

 まず先端治療分野では、AI(人工知能)による画像診断や、ロボット技術による治療の開発についての講演がありました。まだ実用化はされていませんが、人の目では見逃してしまいがちな小さく目立たないポリープなどをAIで高率に検出し、検出したポリープが良性か悪性かまで蓄積した情報をもとに判断できるまでに開発が進んでいるそうです。また治療機器も進化しており、内視鏡の先端にロボットアームをつけたものや、遠隔操作できるものなどの開発が進められているそうです。患者さんへの負担の少ない内視鏡での治療の幅を広げようと、医師や企業が切磋琢磨していることを学びました。

 そして、治療技術の進化はなによりですが、一番重要なのは予防と早期発見です。いくら治療技術が進んだと言っても、癌にならないことに勝るものはないと思います。当院が担っていく役割としては、この予防と早期発見の部分です。

 

その部分の大きな進化としては、平成28年度より胃がん検診として胃カメラが実施できると国で決まりました。これは、とても大きな進化だと思います。各自治体で体制づくりを行い順次開始していきます。横浜市ではすでに開始しており、藤沢市も数年のうちに開始される予定です。しかし、それを受け入れることになる病院や各市町村の医師会は、クリアしなければならない多くの課題が予想され、大きく動揺しました。先行モデルとして開始した自治体の戸惑った現場の様子が発表されていました。藤沢市で開始となった場合、当院でも混乱が予想されるので、スムーズに対応できるよう今から準備しなくてはと感じました。まずは検診を受けられる方の、安全・安心・安楽を担保するのはもちろん、希望される方全てに対応できる体制づくりを進める必要があると強く感じました。

 

胃癌患者の98%はピロリ菌に感染していると言われ、胃がんは早期であれば内視鏡治療で完治します。自覚症状が出現した時には、すでに進行胃がんであることがほとんどです。無症状のうちに胃カメラをすることが重要であると、国も動き出しております。そしてピロリ菌の保菌者はピロリ菌の除菌を忘れてはなりません。AIなどの技術開発分野の発展も素晴らしいですが、大多数の地域の方々の健康維持のお手伝いがクリニックの役目だと思っております。大切な人と大切な時間を過ごすために、症状がなくても胃カメラに足を運んでいただければと思います。当院では、迅速に対応させていただきます。

 

胃がんは、『まずはピロリ菌の除菌で予防。そして定期的な胃カメラで早期発見』です。私たちは今後も皆様に強く発信していきたいと思っております。皆様のそばにいる大切な人にも伝えていただければと思います。

 

 

湘南藤沢おぬき消化器クリニック

内視鏡技師 宮本

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