学会報告・最新医療情報

2018.12.22

第81回 日本消化器内視鏡技師学会に参加して

 先月京都で行われました第81回日本消化器内視鏡技師学会に参加して参りました。

「どこまでできる。内視鏡検査と治療」をテーマに発表や講演がありました。

普段私たちが行っている内視鏡検査について、共感する点や日々の業務に直結する内容もあり、今後の検査介助等に活かしていきたいと感じました。

⓵安心・安全・安楽・満足度が得られる医療の提供

  内視鏡視鏡検査は上・下部ともに侵襲的な検査であり苦痛を伴います。

検査を受けられる患者さんは、病状に対する不安や内視鏡検査に対する苦痛や恐怖心を抱えながら来院されております。

内視鏡をいう言葉を聞くだけで、《怖い・痛い・辛い・大変・恥ずかしい》などのマイナスイメージが先行しがちです。

このため、私たちスタッフは患者さんの不安軽減に繋がる対応が出来るよう、検査前・中・後において丁寧な説明・安心出来る環境整備・接遇を大切に関わっていく必要があります。また、様々な工夫を重ねながら苦痛を最小限にし、出来るだけ気楽に検査を受けて頂けるよう配慮していくことも大切になってきます。

 鎮静剤使用による鎮静効果は患者さんにとって大きな期待があると感じます。安全な鎮静法で満足感を得られる鎮静剤の導入は苦痛や恐怖心の緩和に有効に働きます。

当院では患者さんから検査終了時に、

・鎮静剤を使ったことで楽に検査を受けることが出来た

・背中をさすってくれたことや呼吸法を教えてくれたことで安心出来た

・始まる直前の声掛けや普通の会話により安心感を得られて良かった

・病院で下剤を飲むことで安心出来た

・先生がよく話を聞いてくれるため安心する

などのご意見を頂くことがあります。

患者さんからの貴重なご意見を基に、今度も継続していくもの、改善の必要性があるものは満足度が得られるように努めて参りたいと思います。

また、緊張や不安の軽減に繋がる看護の提供を今後も引き続き行っていきたいと改めて感じました。

安心・安全・安楽・満足度が得られる医療の提供は、継続的な検査・病気の早期発見・早期治療に繋がることを学びました。

 

⓶コールドポリペクトミー(CP)の介助にあたって

 現在大腸内視鏡検査の主流になりつつある治療法に、コールドポリペクトミー(CP)があり、当院でも行っている治療法の一つです。

CPは鉗子を用いるコールド・フォーセプス・ポリペクトミー(CFP)と、スネアを用いるコールド・スネア・ポリペクトミー(CSP)の2法があります。

この治療法(CP)は手技時間の短縮、切除後の偶発症(後出血)のリスク低下、治療後の生活制限が少ないなどのメリットがありますが、完全に切除をしなければポリープの遺残や再発の可能性が出てきます。このため、病変を確実に切除することが大切になってきます。

  鉗子やスネアの特殊性を理解し操作することが重要になり、鉗子のカップ内に病変が収まっていることを確認すること、標本の挫滅を防ぐためにスネア使用時はハンドルを一気に締めることなど操作方法を改めて学ぶことが出来、今後の介助に役立てたいと感じました。

最近ではCPに対応するための鉗子やスネア製品の改良が進んでおり、デバイス選択も重要になってくると感じました。

今回学んだことを今後に役立てたいと思います。

 

湘南藤沢おぬき消化器クリニック

看護師 森山

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